平成25年度 第57回日本学生科学賞山形県審査

最優秀賞
山形県高等学校長会長賞
山形県高等学校文化連盟会長賞
全国予備審査出品

昨年の「米沢盆地西縁断層南部の地形」に続いて「斜平山(なでらやま)山塊の地殻変動」という表題で出品しました。エクセルを用いて斜平山山塊全体から船坂峠にかけて,水平距離50m(1/50,000地形図の1mm)間隔で立体地図を作成したところ,船坂峠から西向沼(にしむきぬま)への延長線上で深く刻んでいるおその沢(大沢川)が断裂によって形成されたのではないかという結論に達しました。すなわち,おその沢が大変深い沢であることは以前からわかっていましたが,これが流水による下方侵食によるものではなくて,構造的な応力によるリフト(rift)である可能性が高いのです。このような地殻変動をもたらしたのは,船坂峠を中心とした共役(きょうやく)断層沿いの左横ずれの応力であると考えられます。平面的な紙地図では見えないものが,立体地図にすることによって明らかにすることができました。
斜平山に関わる断層について昨年から研究してきましたが,今回得た知見には驚きました。斜平山は米沢市民にとって身近で親しみのある山です。であればなおさら,この事実は知っていただくべきことであると思い,地形図と空中写真の複製・使用にあたり国土地理院長の承認を得て,本校ホームページにアップすることにしました。容量が大きいので,見にくくなりますが作品を4分割し,立体地図のデータは1枚だけ別にしましたが,見られないかもしれません。なお,本論文は本地域における地震発生の可能性について言及するものではありません。地形について述べただけのものであります。
今回わかったことを軸としてこれからも調査研究を続けていきたいと思います。

斜平山山塊の地殻変動(2,240KB)
資料1(2,391KB)
資料2(2,313KB)
資料3(2,785KB)
資料4(779KB)